／2023.08.16

店主ちぃさんの五徳ばなしvol.5　『物にやどる気持ち』

お盆なので少し不思議？なお話をしたいと思います。

私が幼いころ祖父が「物には心があるから大切にしなさい」と教えてくれました。

そのおかげで物をあつかう手が優しくなり、消しゴムひとつにも消しゴムにとっての幸せって何？と考えることが習慣になりました。
道具に対しても壊れたら修復してなるべく長く付き合えたらと優しく接していると、そのうちに物の声が聞こえる感じが自然にしてきました。

試験の時、消しゴムや鉛筆やものさしが応援してくれるので、緊張もせず問題もスイスイ解けました。
物が味方になってくれるので私はいつも「守られている」という感覚でいられました。

ある日、遠出をするために車に乗って出かけました。
私にとっての車は大切な仕事仲間であり「人生を共有するパートナーのひとり」でした。

大切な仕事が無事に終わった時や、子供の引っ越しで重たい荷物を長距離運んでもらった時などは心から感謝の念がわいてきて「あなたが居なかったら出来なかったよー！ありがとう！」とお礼を言っていました。

遠出先でガソリンが無くなりかけた時でした。

土地勘がなかったせいでガソリンを入れるタイミングを逃してしまい、燃料メーターがあと1メモリになってしまいましたが、ガソリンスタンドが出現してくる気配が全く感じられず焦っていました。

「こんなところでガス欠になったらどうしよう。大切な約束の時間に間に合わなくなる。。」

ついにメモリが0になり、いよいよ覚悟を決めていつ止まってしまっても良いように路肩寄りに運転しようとしたその時、ピコッ。メモリが1つ増えました。

「えーっ！」助かった！でもまだ不安。スタンドないかな。。。
キョロキョロしているとまたピコッ。もう1つ増えました。

無事に次のガソリンスタンドまでたどり着けました。車を抱きしめて感謝しました。

最近読んだ本に「大切に扱われた物は意思を持つようになる。」とありました。

小売店である当店には商品がたくさんあります。その1つ1つを大切に扱うことでお客様に貢献できる商品に成長してくれたら幸いと考えています。
商品だけでなく、備品や掃除道具なども大切にしながら、私たちもスタッフとして一致協力しています。