／2023.01.10

冬の土用の過ごし方　～心と身体を整えるとき～

「土用」と聞くと、夏の土用を思い浮かべる方が多いかと思いますが、実は年に4回あるということをご存じでしょうか？

土用とは、年4回ある季節が変わるとき、四立（立夏・立秋・立冬・立春）の直前約18日間ずつの時期（雑節）のことを呼びます。

昔から、土に関すること（土いじりや地鎮祭）、新しいこと（新居購入、開業など）、方向に関すること（旅行、引っ越しなど）は土用期間中は避けたほうが良いと言われており、
土の神様が土の中にいる期間だったり、季節の変り目で体調を崩しやすいので、アクティブに過ごしすぎることはしない方がいいと考えられていたそうです。

2023年の冬の土用は、1月17日（火）～2月3日（金）。
立春の前までが土用期間とされています。

2月4日（土）の立春は、寒さはまだまだ厳しい時期ですが、日が少しずつ長くなり、暦の上ではこの日から春となります。

春を目前にした、土用期間をどのように過ごしていくのがよいのでしょうか。
昔の人の知恵をお借りしながら、より元気に過ごしていくためのヒントを探っていきたいと思います。

食生活で気をつけたいこと

この時期は、寒さがより一層と厳しくなり、身体がきゅっと縮こまってしまいがち。
また、年末年始に美味しいものをたくさん食べて胃腸が疲れてきていることから、寒さに弱い腎臓の疲れと胃腸の弱りから体調を崩しやすい時期です。
（疲れからインフルエンザや感染症にも注意が必要な時期です。）
特に食べ過ぎには注意が必要。
胃腸をいたわって、少し食事の量を減らしたり、ご飯とみそ汁、漬物だけなどの粗食を挟んでみたり、胃腸を休めてあげることも大切にしてあげてください。

この時期は、体の中から足腰と腎臓を温めてくれる根菜類がおすすめ。
旬の大根やレンコン、ごぼう、人参、自然薯といったナトリウムを多く含む根菜類を煮炊きして食べると体が温まります。
特に遠赤外線を出してくれる土鍋で調理をすると、より芯から身体を温めてくれます。

また、根菜の中でも、一番のおすすめは葛。葛のでんぷんは体を温める力が強く、胃腸病全般や風邪の予防薬として昔から葛湯が活用されてきたそうです。お腹を温めることで副交感神経のスイッチが入り、全身の緊張がやわらぐだけでなく、抹消の手先・足先までポカポカしてきます。

普段からコーヒーをよく飲むという方には、穀物コーヒーがおすすめ。
コーヒーはカリウムが多く身体を冷やしてしまいがちなので、この寒い時期は少し量を減らしていただくか、腎の食薬と言われている豆や穀物を焙煎した穀物コーヒーなどに置き換えていただくのもよいかもしれません。